私が6歳の時の話ですが、「ベンジー」という映画が上映されてまして、上映会場の映画館が家の近くだったものですから、独りで観に行ったのです。
ベンジー
その時に、ベンジーと同時上映してた映画が印象に残って、ずっと忘れられずにいたのです。
「忘れられない」といっても、なにせ6歳の記憶なので内容は飛び飛び。
当時はストーリーなんかもよくわからなかったけれど、何か心に響いたものがあったんでしょうねぇ。
覚えてることといったら
●子供がタイヤの中に入って坂を転がる遊びをしているうちに崖から落ちた。
●男の子二人が雪山みたいなところで遭難する。
●片方の男の子が弱ってくると、もう片方の男の子は自分の服を脱いで、弱っている子にかけてやり、裸になって弱ってる子の体を温めてあげている。
●結局裸になって温めた男の子は死んでしまい、葬式が行われる。
これだけ。
これだけしか覚えてないんだけど、なんか感動して同日で2回観たんです。
この映画⇒ベンジー⇒この映画 って。
で、最近になってなんかまた気になり、ネットで調べてみようと思ったものの、
どうやって調べたらいいのかわからない。
わからないけどとりあえず
「タイヤ 子供 遭難」で検索してみました。
したらどうでしょう!
「ロリーポップ (1976年 制作 南アフリカ)」だということがわかりました。
この「ロリーポップ」を紹介してるページの中には、ユーザーコメントみたいのがあって読んでみると、こう書かれていました。
この話はまだ南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)が撤廃されていない1976年の製作です。
これは南アのレソトという町にいる幼馴染の白人少年と黒人少年の話です。白人の少年がタイヤの輪に入り、黒人の少年がそれを転がしていたところ、誤ってタイヤが崖下に落ちてしまいます。白人少年は腎臓を痛めてしまい、ニューヨークで治療することになり、黒人少年と白人少年はそこで楽しいときを過ごしますが、黒人少年はやはり白人少年の健康を害したことに対して自責の念にかられています。
レソトに帰った二人は、ある日雪山で遭難したまま夜を迎えてしまいます。薬を忘れてきた白人少年の健康は急速に失われます。黒人少年は裸になり白人少年の身体を自分の身体で暖めました。そして、次の朝、大人達が二人を捜し当てると、白人少年は生きていましたが、それをかばうようにその上に覆い被さっていた黒人少年の身体はすでに冷たくなっていました。
私はこの映画を見て涙したのですが、今36歳になりふと思い出してみると(なぜ、10歳の時見た映画の内容を憶えているのか不思議ですが)ラストシーンでの、黒人が白人をかばい死ぬという行為を美しいものとみなすという話の構造自体が、ある意味アパルトヘイトの精神構造に似ているような気がして、涙したことが少し悔しいような気もします。
もちろん、アパルトヘイトに反対する意図がとても強く、当時としては勇気ある映画だったとは思います。
感動するわけです。
この内容!感動するに決まってるのです。
ロリーポップを観て感動したわたしは早速母親に
「ベンジーのぬいぐるみを買ってくれ」
と不当な要求。
おもちゃ屋3軒目にしてやっとこベンジ-確保することが出来、
大事に大事に持っていると、母方のおばばがベンジーのぬいぐるみを見て
「肥だめに落ちたような犬だ」
と言いました。